宮古市スマートコミュニティ事業の主要事業(出所:宮古市)
宮古市スマートコミュニティ事業の主要事業(出所:宮古市)
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 1月25日に岩手県宮古市で出力約4MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の起工式が開催された。事業用地は、赤前地区と田老地区の2カ所で、東日本大震災の津波により浸水し、「災害危険区域」に指定されている。「災害危険区域」とは、津波や高潮などの災害に備え、住宅など居住用建築物の新築・増改築を制限している地域のこと。そのため、市が元住民などから買い上げを進めている。

 建設地は、赤前地区の津軽石第2地割内(約2.5ha)と、田老地区の田老字向山地内(約3.4ha)で、出力はそれぞれ1.6MW、2.4MWとなる。年間の予想発電量は、それぞれ一般家庭約320世帯分と480世帯分に相当する。今年11月に本格稼働する予定。

 発電事業者は、日本国土開発とアジア航測、復建調査設計の3社が出資して設立したSPC(特定目的会社)、宮古発電合同会社となる。今回、着工したメガソーラーは、宮古市の推進する「スマートコミュニティ事業」の一環で、SPCに出資した3社は、同事業を推進する協議会の構成企業でもある。メガソーラーの施工は、日立製作所と東亜道路工業が担当する。

 宮古市スマートコミュニティ事業では、今年中に新電力(地域新電力会社)を設立する予定で、まずは赤前・田老地区に建設したメガソーラーの電力を地域に供給する。利用者は、市内の公共施設や民間ビルなど、電力需要の大きい施設を予定する。新電力は、CEMS(地域エネルギー管理システム)を構築して、メガソーラーによる電力供給と利用者の需要をバランスするように制御することで、エネルギーの地産地消を実現する。