Soraa社の日本オフィス開設について講演する中村氏(写真:Soraa社)
Soraa社の日本オフィス開設について講演する中村氏(写真:Soraa社)
[画像のクリックで拡大表示]
Soraa社のLEDランプ
Soraa社のLEDランプ
[画像のクリックで拡大表示]
Soraa社のLEDランプを上から見たところ。中央にあるのが、SNAPを着脱するための磁石
Soraa社のLEDランプを上から見たところ。中央にあるのが、SNAPを着脱するための磁石
[画像のクリックで拡大表示]
Soraa社のLEDランプを下から見たところ。ヒートシンクは独特の形状をしている
Soraa社のLEDランプを下から見たところ。ヒートシンクは独特の形状をしている
[画像のクリックで拡大表示]

 米University of California, Santa Barbara(UCSB) 教授の中村修二氏が共同設立者(co-founder)として名を連ねるLEDベンチャーの米Soraa社が、日本市場開拓に力を入れ始めた。既にウシオライティングを通じてSoraa社のLEDランプを日本市場で販売している。これに加えて、2015年春までに日本オフィスを開設する予定だ。LEDランプの特徴だけでなく、ノーベル賞受賞でさらに高まった中村氏の知名度を生かして、日本市場での拡販を狙う。

 Soraa社は、中村氏を含めた、UCSBの教授3名が設立した企業である。2012年からLEDランプの販売を開始し、約2年半を経過した現在、売上高は40億円ほどだという。2013年から2014年で売上高は約2倍と、急成長している。従業員は300名ほどである。

 Soraa社の急成長の秘密は、同社のLEDランプにある。その特徴は、「演色性が高く、自然光に近いきれいな白色を出せる」(同社)こと。同社の白色LEDは、紫色LEDチップに、赤色と青色、緑色の蛍光体を組み合わせて作られている。これにより、可視の波長域すべての光を出力できるので、演色性が高いという。特に、赤色の演色評価数である「R9」が高いことを強調する。平均演色評価数「Ra」も95と高い。なお、Raは、「R1」から「R8」までの平均値である。

一般的な白色LEDは、青色LEDチップに黄色の蛍光体を組み合わせて作られている。そのため、発する光の波長に偏りがあるため、Raを高めにくい。

 加えて、Soraa社は同社のLEDランプから出る光(ビーム)の明るさにムラが少なく均一にできることや、ビーム形状を自由に変えられることも特徴にうたう。ビーム形状を変えるには、ランプの発光部に「SNAP(スナップ)」と呼ぶ光学部品(アクセサリー)を取り付ける。スナップの着脱が容易になるように、着脱部に磁石が付いている。スナップはビーム形状を変えるだけでなく、色温度も変えられる。