東芝は2015年1月19日、DNAの増幅・検出・判定を全自動で行うDNA検査装置の新製品「Genelyzer II」を発売した(リリース)。第1弾のアプリケーションとして、従来は4~5日を要していた食中毒の原因菌判定を約2時間で完了できる「衛生管理用検査キット」を開発。研究機関や保健所、食品メーカーなどに向けて2015年4月に発売する。同日、神奈川県川崎市で記者会見を開催した。

記者会見に登壇した東芝 執行役上席常務 ヘルスケア社社長の綱川智氏(左)と川崎市市長の福田紀彦氏(右)。両氏が手にしているのが「検査用DNAチップカード」、後ろに見えるのがDNA検査装置「Genelyzer II」
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 東芝は2009年以降、実験動物微生物モニタリングや生物剤(バイオテロ)検知、子宮頸がん原因ウイルス型判別などの用途に向けたDNA検査装置と検査キットを市場投入してきた。

 今回開発したGenelyzer IIでは、従来は手作業で行っていた試薬調整や、別装置で行ってきたDNA増幅を自動化することで、約2時間で判定が終わるようにした。DNAチップを内蔵したカード(検査用DNAチップカード)に検体から抽出したDNAを注入し、装置にセットするだけで、検体が検査対象のDNAを含むかどうかを判定できる。カードを挿入するスロットを4つ備え、4検体を同時に検査可能。価格は800万円(税別)である。