日本大学工学部次世代工学技術研究センター教授の尾股定夫氏は2015年1月14日、ウエアラブル機器の展示会「ウェアラブルEXPO」(会場:東京ビッグサイト)のセミナーに登壇し、自身が開発した、カフ(圧迫帯)を使わずに触れるだけで血圧を測定できる「連続血圧測定用デバイスチップ」の原理やそのメリットを解説した。

位相シフト法による血圧測定の原理を説明する尾股定夫氏
位相シフト法による血圧測定の原理を説明する尾股定夫氏
[画像のクリックで拡大表示]

 連続血圧測定用デバイスチップは、位相をシフトさせた光を血管にあてて、その反射波から血管の拍動を測定し、血管壁の固さを示す「ばね定数」や拍動の伝播速度を求める。血圧は、血管壁の固さおよび拍動の伝搬速度と強い相関関係を持っているため、これらの値から血圧が導き出される。尾股氏はこの測定方法を「位相シフト法」と呼んでおり、その原理については特許を取得済み。連続血圧測定用デバイスチップも「ICMe」という名称で商標登録している。実際に、血管内に圧力センサーを入れて実測した血圧と位相シフト法による血圧の測定値を比較したところ、ほぼ同じ結果が得られているという。