図◎トヨタ自動車社長の豊田章男氏
図◎トヨタ自動車社長の豊田章男氏
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 トヨタ自動車社長の豊田章男氏は2015年1月6日、自動車工業4団体が主催する新春賀詞交歓会に出席し、記者団に対して2015年の抱負を語った(図)。その中で同氏は、燃料電池車(FCV)特許の公開や、新工場建設の凍結解除の見込みなどについて述べた。

――2015年1月6日にFCVの特許を開放することを発表したが、社長の考えは。

 非常に良いことだと思う。水素社会を創り上げるということは1つの自動車会社だけでは難しいし、多くの方が賛同し、参加してくれないとできない。そして何より、水素自動車の実現には長い道のりが必要だ。従って、あえて参加者を増やし、「オールプラネット」、「オールジャパン」というように多くの協力を得ていくことが、水素社会の実現のために良い決断だったと思う。

 我々は「鶏と卵」ではなく、「花とミツバチ」という表現をよく使う。「どちらが先か」という議論ではなく、色々な企業と協力し合うことが重要だ。誰かが始めなければならないので、今回我々が先陣を切った。これからトヨタがリードしていく必要はあるが、囲い込もうということではなく「地球人」として、今後50年を見据えてやっていくにはこうしたことが大事だという判断だ。