逆風と追い風があり、不透明感増すも、徐々に霧が晴れる(出所:日経BP)
逆風と追い風があり、不透明感増すも、徐々に霧が晴れる(出所:日経BP)
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 2015年のメガソーラー業界は、足元で好調な建設需要が続く一方、今後の中長期的な市場動向を巡っては、先行き不透明が続く。ただ、エネルギー政策の方向性が固まっていく中で、徐々にメガソーラーを覆う霧が晴れていくことになりそうだ。

 まず、足元の太陽光発電の導入は、引き続き高水準を維持する。ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス(BNEF)では、2015年の国内太陽光導入量は、保守的な予測で11.4GW、楽観的な予測では13.2GWとみており、2016年はそれ以上の導入量を予想している。実際、経産省が公表した2014年9月末までの出力10kW以上の非住宅用太陽光発電設備の導入量は、ここ数カ月、毎月600MW前後で推移している。今後、より大型案件の完成が増えていくため、導入ペースは加速しそうだ。

 短期的な先行きを不透明にしているマイナス要因は大きく2つある。固定価格買取制度(FIT)で事業者の収益に特に配慮する3年間の「プレミア期間」が、2015年7月で終了すること。また、グリーン投資減税による即時償却の対象が、2015年3月末までに工事が完成するプロジェクト限りとなる。買取価格の低下とともに、グリーン投資減税の終了で、メガソーラー事業の買い手が減ることで、新規開発のハードルが上がる。

 プレミア期間の終了によって、2015年度の買取価格がどの程度、引き下げられるのかは、2015年1月に再開する調達価格等算定委員会での議論次第になる。再生可能エネルギー間での普及のバランスを考慮すれば、太陽光への下げ圧力はさらに増すが、大幅な低下が予想される場合、再び駆け込み需要が大量に発生する懸念もあり、慎重な判断が求められる。