メディカル・イメージング・コンソーシアム(MIC)は2014年12月24日、東京都内で記者会見を開催。8K(8000×4000画素級)の映像、いわゆる「スーパーハイビジョン」を用いた内視鏡手術を、試験的に臨床(ヒト)に適用した結果を報告した。「非常に鮮明で、立体感や実物感に優れる画像が得られたことが、最大の収穫だった」(同コンソーシアム 理事長の千葉敏雄氏)。今回の成果を生かし、改良を進めることで8K内視鏡を「2017年に実用化したい」(同氏)とした。8K映像を用いた顕微鏡手術の実施例も併せて紹介した。

8K内視鏡を用いた手術の記録映像を説明する杏林大学医学部付属病院の青木氏。説明に使ったモニターは4K(4000×2000画素級)対応品
[画像のクリックで拡大表示]

 MICは2014年1月24日に、8K内視鏡を用いた手術を動物(ブタ)に適用した成果を発表した(関連記事1同2)。その後、ヒトへの試験適用について検討を進め、大学の倫理委員会にはかったり、患者のインフォームドコンセントを取ったりするなどの手続きを踏んできた。

 そのうえで2014年11月10日、杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)で8K内視鏡を用いた消化器領域の手術を実施。同年12月5日には、三宅病院(愛知県名古屋市)で8K顕微鏡を用いた眼科領域の手術を行った。3300万画素の2.5型CMOSイメージセンサーを搭載した8Kカメラを、内視鏡と顕微鏡にそれぞれ取り付けて導入した。記者会見にはこれらの手術に携わった医師が登壇。実際の手術映像を示しながら、8Kの導入効果や今後の課題について話した。

登壇したMIC理事長の千葉氏
[画像のクリックで拡大表示]