英国の電力会社のUK Power Networks社は12月15日、大規模な蓄電池を使った電力網の安定運用の実証を開始すると発表した。

 太陽光発電など出力変動の大きい再生可能エネルギーの大量導入の実現を目的とする。既存の電力網において、コスト効率の高い大規模な蓄電池の導入や運用の方法を検証する。

 イングランド東部のベッドフォードシャーに、「Smarter Network Storage」と呼ぶ大規模なエネルギー貯蔵システムを導入して2年間実証した後、ロンドンなどのイングランド東部で導入する予定。

 変電所に出力6MW、容量10MWhの蓄電池を設置し、電力消費のピーク時の約1.5時間に、一般家庭約6000世帯分の電力の供給といった運用を実証する。欧州の電力網に導入されるものでは、現時点で最大規模の蓄電池という。

 実証の成果は、英国の電力ガス市場規制局(OFGEM)や関連団体、関連事業者などで共有し、英国全体で蓄電池を大規模に活用した電力網の構築コスト、運用コストを最小化する。

 今回の実証には、低炭素ネットワーク基金(Low Carbon Networks Fund)が1320万ポンド(約24億円)を提供する。UK Power Networksは400万ポンド(約7億円)、パートナー企業が120万ポンド(約2億円)を負担する。