ZVRT試験に合格した「SOLAR WARE 630」(出所:TMEIC)
ZVRT試験に合格した「SOLAR WARE 630」(出所:TMEIC)
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は12月17日、同社のメガソーラー(大規模太陽光発電所)用パワーコンディショナー(PCS)「SOLAR WARE630」が日本メーカーとして初めて中国の「ZVRT (Zero Voltage Ride Through)試験」に合格したと発表した。

 「ZVRT」 とは、系統短絡事故などにより瞬時停電が発生し、系統電圧がゼロとなった場合でも系統崩落を発生させないために、PCS が系統に連系したまま運転を継続する機能。日本を含めて多くの国で要求されるのは「Low Voltage Ride Through(LVRT)機能」で、これは系統電圧に 30%程度まで瞬時電圧低下が発生しても運転を継続すること。中国は、系統連結の規制が厳しく、LVRTよりもさらに技術水準の高い ZVRTを求めている。

 今回の試験は、中国国有の電力送配電会社である国家電網公司・中国電力科学研究院で実施した。合格したのは、630kW機の「SOLAR WARE630(型式PVL-L0630E)」。

 中国は、世界最大の太陽光発電市場になっており、今後も緩やかな市場規模拡大が続くと見込まれている。TMEICは、 ZVRTに合格したPCSをすでに現地生産しており、これを機に中国市場での販売を加速させる方針だ。