出力5MWの太陽光発電を主電源としたマイクログリッドを構築した、赤道ギニアのアンノボン島(出所:米Eaton社)
出力5MWの太陽光発電を主電源としたマイクログリッドを構築した、赤道ギニアのアンノボン島(出所:米Eaton社)
[画像のクリックで拡大表示]

 米国の電力マネジメント関連会社のEaton社は12月11日、赤道ギニアのアンノボン島に構築された、出力5MWの太陽光発電を主電源としたマイクログリッドに、自社の電設サービスや配電設備を供給したと発表した。

 アフリカで最大規模の太陽光発電による自給自足型マイクログリッドになるという。

 マイクログリッドは、エネルギー貯蔵システムを備えている。本土の系統と連系していない離島での電力の需給バランスを維持するため、電力需要と発電量を予測しつつエネルギー貯蔵システムを活用することで、電力品質の信頼性を高めている。

 赤道ギニアでは、経済発展とともに、世界レベルの電力インフラを実現する開発計画「National Economic Development Plan Horizon 2020」を進めている。太陽光発電によるマイクログリッドの導入も、この計画の一環としている。

 マイクログリッドへの配電システムや太陽光発電システムの納入は、米Management & Economics Consulting(MAECI)の子会社の米MAECI Solar社が担当した。MAECI Solar社を通じて、配電システムはEaton社が、太陽光発電システムは米Wise Power Systems International社が納入した。

 太陽光パネルは、裏面を通常のバックシートの代わりにガラスで封止した、両面ガラスのパネルを採用した。

 Eaton社は、スイッチギア(電力系統用の保護・制御機器)、回路保護装置、変圧器などの配電関連設備や技術を提供した。マイクログリッド内のエネルギー貯蔵システムと統合し、高精度に充放電させるための通信技術の供給も担当した。

 アンノボン島では現在、住民一人当たり1日最大5時間までしか電力を使えない。高価な発電機を使っていることから、平均的な世帯で収入の15~20%を、電気代として負担している状況にある。

 今回の太陽光発電を主電源とするマイクログリッドの構築は、赤道ギニアの経済を新興国のように発展させる計画の一環。これまでより電気代の負担を減らすとともに、昼夜・年間を通じて安定した電力を使えるようにする。

 Eaton社では、アンノボン島におけるマイクログリッドは、信頼性が高く、コスト効果の高い電力網を実現でき、アフリカの他の離島へのマイクログリッドの導入に向けたモデルになると強調している。

 アンノボン島のマイクログリッドに関しては、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も、エネルギー貯蔵システム、エネルギー管理システムを供給したことを発表している。