「(吉野ヶ里)三田川太陽光発電所」の全景(出所:三井住友建設)
「(吉野ヶ里)三田川太陽光発電所」の全景(出所:三井住友建設)
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モニターに表示されたストリング単位の発電状況(出所:三井住友建設)
モニターに表示されたストリング単位の発電状況(出所:三井住友建設)
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 三井住友建設は12月5日、佐賀県吉野ヶ里町で「(吉野ヶ里)三田川太陽光発電所」の竣工式を開催した。同社の三田川PC工場の敷地内に、出力1MWメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設した。年間の発電量は、約127万kWhを見込み、一般家庭の約350軒分に相当する。同社が発電事業として建設した初めての案件となる。パワーコンディショナー(PCS)は日立製作所製、太陽光パネルのメーカーは非公表。

 同発電所では、計測監視システムとして「PLCストリング監視システム」を導入した。直流高圧電力ケーブルをそのまま通信媒体として利用するPLC(Power Line Communication;電力線通信)技術を用い、太陽光パネル14枚からなるストリング(直流接続した太陽光パネルのブロック)単位の発電状況をリアルタイムで計測する。住友電気工業が今春、実用化し、商用施設としては初めて同発電所に導入したという。

 データ通信に電力線を活用するため、新たな配線や電源が不要になる。クランプ型の電流センサーを使用するため、既存の施設にも設置でき、経済性にも優れるという。同発電所では、全ての施設が完成した後、2人の作業員により、1日でセンサーを設置したという。

 同システムにより採取したストリングデータは、工場内に設置した監視システムに取り込まれ、パワコンや気象データとともに解析・表示する。モニターには、ストリング単位の発電状況をリアルタイムで表示し、異常発生時にはその箇所が映し出される。

 同社では、現在進行中の第4次中期経営計画で、収益構造の重層化を目的とした再生可能エネルギー事業の推進を掲げており、引き続きその開発を進める。太陽光発電市場においては、今後、効率的な保守点検システムや発電性能の維持向上技術のニーズが高まると見込まれ、今回、導入したストリング監視システムを実験・実証の場として活用し、関連技術・ノウハウの開発・取得を進める。