追尾型システムの前で竣工式を開いた(出所:日経BP)
追尾型システムの前で竣工式を開いた(出所:日経BP)
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固定型と追尾型を設置し、追尾型の下で営農する(出所:とまとランドいわき)
固定型と追尾型を設置し、追尾型の下で営農する(出所:とまとランドいわき)
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 農業生産法人、とまとランドいわき(福島県いわき市)は12月8日、いわき市平下神谷南の農場に、約1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、竣工式を開催した。追尾型太陽光発電システムを75基(合計412.5kW)、固定型の太陽光発電システムを2480枚(合計558kW)を設置した。いずれも固定価格買取制度(FIT)を使って電力会社に売電する。

 追尾型システムは、高さ5mの支柱に25枚の太陽光パネル(合計5.5kW)を取り付けてあり、下の空間に約1500本のイチジクを植え、栽培する計画。稼働している営農型の太陽光発電設備としては国内最大級という。農林水産省は2013年に営農型の太陽光発電に関して規制を緩和し、発電設備の影による作物の収量減が20%以内であれば、支柱の基礎部分の一時的な農地転用が認められた。イチジクの栽培では、追尾型システムによる影の影響をほとんど受けないという。

 太陽光パネルは固定型、追尾型ともフジプレアム製、追尾型の架台システムも、フジプレアムが製造し、発電所全体のEPC(設計・調達・施工)サービスも担った。パワーコンディショナー(PCS)は、固定型、追尾型向けとも東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。施工は東レエンジニアリング(東京都中央区)が担当した。

 総事業費は固定型と追尾型を合わせ約4億円。固定型の太陽光発電事業については農水省の「地域還元型再生可能エネルギー早期モデル確立事業」として採択され、売電収入の5%を地域還元型事業に使われる。追尾型設備に関しては、とまとランドいわきの独自事業で、金融機関から融資を受けて建設した。