竣工式では、関係者がビアジョッキで乾杯した(出所:日経BP)
竣工式では、関係者がビアジョッキで乾杯した(出所:日経BP)
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事業用地は農地を転用した(出所:タツミプランニング)
事業用地は農地を転用した(出所:タツミプランニング)
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シュレッター製の1本杭タイプの基礎・架台を採用した(出所:日経BP)
シュレッター製の1本杭タイプの基礎・架台を採用した(出所:日経BP)
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 12月5日、栃木県さくら市小入で、ドイツ企業と日本企業が連携して建設した「さくら小入太陽光発電所」の竣工式が開かれた。太陽光パネルの出力約2.3MW、パワーコンディショナー(PCS)の出力約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)で、年間242万kWhの発電量を見込んでいる。

 太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービス大手の独IBC SOLARが、竣工までの事業費を出資し、11月20日に系統連系を完了して国内の投資家に売却した。発電所の設計・調達も同社が手掛け、同社製の太陽光パネル約9100枚を供給した。

 横浜環境デザイン(横浜市都筑区)が施工し、O&M(運営・保守)も同社のグループ企業が担当する。また、タツミプランニング(横浜市西区)が、事業開発から販売アレンジを担い、ジャパンインベストメントアドバイザーがSPC(特定目的会社)を設立して太陽光発電ファンドを組成し、完成後のアセットマネジメントを担当する。また、ドイツ系の第三者認証機関、テュフ ラインランド ジャパン(横浜市港北区)が、太陽光発電所総合認証の審査を実施した。

 PCSは、スイスABB製の630kW機を3台、変圧器など連系設備とパッケージ化したシステムとして導入した。直流回路は1000V仕様で構成した。基礎と架台は、ドイツのシュレッター製の1本杭タイプを採用した。

 竣工式では、日独企業の連携を祝し、日本式のテープカットの後、ドイツ式として、1リットルのビアジョッキで乾杯した。IBC SOLARのウド・メールシュテット会長は、「アジアではすでにマレーシアやインドで展開している。今後は日本で、パートナー企業と連携しつつ、培ってきた太陽光プラントの技術を広めていきたい」と話した。横浜環境デザインの池田真樹社長は、「メガソーラーの先輩であるドイツから多くを学ぶことができた。国内の太陽光発電事業は、買取価格の低下や接続保留によって不透明感が出てきたが、こうした問題を乗り超えてきたドイツ企業の姿勢に励まされた」と述べた。