ディスプレー関連の国際会議「21th International Display Workshops(IDW '14)」が、朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターで12月3日から3日間の日程で開催されている。IDWは毎年日本で開催されるアジア最大級のディスプレー技術の国際会議である。

 今年(2014年)の講演/発表件数は489件。内訳は、基調講演/招待講演が4件、招待発表が103件、口頭発表が165件、ポスター発表が217件。なお、レイトニュースの発表は119件である。全体の約半数を占める日本の企業・大学などからの発表を中心に、質の高い論文が集まった。初日(3日)の午前はプレナリーセッションが開催され、2件の基調講演と2件の招待講演が行われた。

家庭に8K対応のフレキシブルディスプレーを

 基調講演の1人目はNHK放送技術研究所 副所長の菅原正幸氏。同氏は“Recent Progress in 8K Super Hi-Vision”と題して、8K(SHV:Super Hi-Vision)の最近の進展について紹介した。NHKは、2016年の試験放送、2018年の本放送開始を目指し、8K技術の開発を進めている。2018年には、衛星、地上波、ケーブルのそれぞれで8K放送を実現し、インターネット経由による「Hybridcast」サービスとともに家庭用テレビで楽しめるようにする考えだ。

 8Kディスプレー技術については、85型液晶をシャープと、145型PDPをパナソニックと共同開発したことを紹介した。さらに、一般家庭に8K映像を楽しめる大画面ディスプレーを導入するために、フレキシブルディスプレーの研究開発を進めているとした。8Kディスプレーへの要求として菅原氏が示した項目は、画素数、120Hz対応、広色域、高輝度と広いダイナミックレンジ、多彩な画面サイズ。講演の最後は、「2020年の東京オリンピックは8Kで楽しもう」というメッセージで締めくくった。

菅原正幸氏
NHK放送技術研究所 副所長の菅原正幸氏