高知県東洋町の「東洋町メガソーラー発電所」(出所:日本アジア投資)
高知県東洋町の「東洋町メガソーラー発電所」(出所:日本アジア投資)
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 日本アジア投資は、英バークレイズ・バンク・ピーエルシーを引受先とする第三者割当増資を12月5日に実施すると発表した。資金調達の総額は約17億円規模になる予定。全額をメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトへの投資資金に活用する。

 日本アジア投資は、メガソーラー事業への投資を加速している。高知県東洋町で出力約2MWの発電所を運用中のほか、福島県いわき市で出力約2.2MWの案件を、三重県松坂市で出力1.9MWの案件を建設している。いずれもSPC(特定目的会社)を設立し、出資している。

 今回、調達する約17億円の資金は、新たに、岩手県一関市(出力10.8MW)、熊本県球磨郡(出力2.3MW)、栃木県矢板市(出力25MW)、静岡県伊豆の国市(出力13.5MW)の4サイトに建設する合計出力51.6MWのプロジェクトに投資する。

 岩手県一関市の案件は単独出資となるが、ほか3案件は共同出資となる。日本アジア投資の投資見込み額は4サイトで合計約20億円となる。第三者割当による調達資金で不足した場合、手元資金を拠出して、予定通りプロジェクトを完成させる予定という。4案件とも、すでに地元の一般電気事業者から系統連系の承諾通知を得ている。また、いずれの案件も、事業資金の85%程度をノンリコース型のリースやプロジェクトファイナンスで調達する。

 同社では、これら以外にも、メガソーラー事業の開発を進めており、まずは全体で100MW規模の発電事業に拡大する目標を掲げている。いくつかの電力会社による接続保留については、「滞留していた案件が、持ち込まれることが多くなっており、メガソーラー事業の拡大にはかえって追い風になっている」(下村哲朗常務)という。

 日本アジア投資は、国内・中国を中心としたベンチャー投資を本業とするが、収益を安定化する目的で、相対的に事業リスクの少ないメガソーラー事業に力を入れている。加えて、今後はメガソーラー事業を通じて、同事業分野でのベンチャーを育成したり、アジア企業が国内の再生可能エネルギーに投資する際に連携するなどの展開も視野に入れている