ISSCC 2015のFar East Regional Subcommittee(極東地区委員会)が2014年11月17日に東京都内で開催した記者会見の資料から抜粋
ISSCC 2015のFar East Regional Subcommittee(極東地区委員会)が2014年11月17日に東京都内で開催した記者会見の資料から抜粋
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 台湾National Taiwan Universityは、がんを呼気で診断する半導体チップを開発した。半導体集積回路技術に関する国際会議「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2015」(2015年2月22~26日、米国サンフランシスコ)で詳細を発表する。講演タイトルは「A Portable Micro Gas Chromatography System for Volatile Compounds Detection with 15ppb of Sensitivity」(講演番号21.5)。

 がんを非侵襲で診断する技術として、患者の吐く息をガスクロマトグラフィー法で分析する手法が期待を集めている。研究グループは今回、がん由来の揮発性有機化合物を検出できる、持ち運び可能なサイズのガスクロマトグラフィー装置の実現に向けたSoC(system on a chip)を開発した。

 このSoCはMEMS(micro electro mechanical systems)プロセスで形成した前段濃縮器と分離カラムのほか、CMOSベースのガス検出器、低雑音出力フロントエンド、制御ユニットを集積しており、15ppb以上の濃度の有機化合物を検出できる。チップ面積は3.3mm×3.6mm、消費電流は1mA以下である。検証では、肺がんに由来する7種類の有機化合物を検出できた。