協定調印書を交換するGEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏(左)と日野市長の大坪冬彦氏(右)
協定調印書を交換するGEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏(左)と日野市長の大坪冬彦氏(右)
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GEヘルスケア・ジャパン技術本部MR技術部のラジェンドラ・マヨラン氏。「活動の中で自分たちが目指すのは『健康で、やりがいを持ち、安心感のある暮らし』だと気付いた。文字にすると当たり前だが、現場で試行錯誤してたどり着いたことだったので、腹に落ちた」と語った
GEヘルスケア・ジャパン技術本部MR技術部のラジェンドラ・マヨラン氏。「活動の中で自分たちが目指すのは『健康で、やりがいを持ち、安心感のある暮らし』だと気付いた。文字にすると当たり前だが、現場で試行錯誤してたどり着いたことだったので、腹に落ちた」と語った
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 東京都日野市とGEヘルスケア・ジャパンは2014年11月17日、「少子高齢社会における地域連携モデル作りのためのパートナーシップ協定」を締結した。日野市が抱える課題に、GEヘルスケアが他の企業や団体と協力しながら取り組んでいくというものだ。GEヘルスケアは日野市に本社工場を構えており、2012年ごろから部署の垣根を越えた社員の自主活動として、日野市の高齢者の健康診断受診率を上げる取り組みなどを行ってきた。今回は、その取り組みが正式に協定の形を取ることになった。

 日野市は人口18万人の住宅都市であり、同時に工業都市でもある。昭和初期から大企業を誘致し、高度経済成長期に工場や団地が進出したことで、人口が急増した。しかし、近年は大型工場の閉鎖・移転が相次ぐとともに、市民の高齢化が進んでいる。税収が減る一方、医療・介護費がふくらんでいく状況に対し、日野市は3つの戦略を打ち出している。すなわち、人口バランス・定住化促進、産業立地強化・雇用確保、ヘルスケアウェルネスである。日野市長の大坪冬彦氏は「この3つの戦略を、より多くの企業・団体との“諸力融合”で進めたい。行政はそうした連携のハブとなっていけたら」と話す。

 GEヘルスケアは、医療機器、医療関連のIT・サービス、分子医学の3事業を柱としており、これまでにも地域の課題解決に知見を生かしてきた。東日本大震災の後には小型超音波診断装置や心電計などを搭載した4輪駆動の軽ワゴン車「ヘルスプロモーションカー」を被災地に派遣。また、青森県と共同で、在宅医療インフラの確立や生活習慣病の予防、介護予防などの実証事業を進めている。今回の協定については「地元の日野市で、当事者意識を持って取り組み、日野市での学びを広く展開していきたい」(代表取締役社長兼CEOの川上潤氏)との考えだ。