記者会見に登壇した、東芝社長の田中氏(右)と東北大学総長の里見進氏(左)
記者会見に登壇した、東芝社長の田中氏(右)と東北大学総長の里見進氏(左)
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 東芝 代表執行役社長の田中久雄氏は、同社と東北大学が2014年11月14日に東京都内で開催した記者会見に登壇(関連記事)。年内に同社が開始するゲノム解析事業の展望を語った。

 東芝はヘルスケア事業をエネルギーとストレージに続く第3の柱に掲げ、2014年7月にはヘルスケア社を設立。「予防」「診断・治療」「予後・介護」「健康増進」の4領域で事業を強化している。

 田中氏は、新たに参入するゲノム解析事業が「予防」領域の取り組みに当たると説明。「ゲノム情報と生活習慣、生活環境の3要素から、個々人が将来かかる病気を高い確度で予測できる。これにより、病気の罹患リスクを減らすようなライフスタイルの変革につなげられる」とした。東北大学と共同開発した日本人向けゲノム解析チップ「ジャポニカアレイ」については、「日本人のゲノム情報を低コストかつ短時間で解析でき、コホート研究の推進に大きく貢献する」(同氏)との期待を示した。

 東芝はゲノム解析事業で当初、年間数十億円の売り上げを目指すが、見据える目標はもっと大きい。「ゲノム解析市場はまだ緒についたばかり。潜在的に相当大きな市場になる」(田中氏)。ゲノム解析を「ビッグデータ解析事業につなげていく」(同氏)ことで、ウエアラブル端末などで取得する生活情報と併せて、付加価値の高いデータやサービスを生み出す狙いである。