シーメンス ヒヤリング インスツルメンツは、耳かけ型で両耳装用の最新補聴器「binax(バイナックス)シリーズ」を2014年11月11日に発売した。これにあわせて同社は、東京都中央区のGibson Bands Showroom TOKYOにて発表会を実施。同社 代表取締役のベルント・ウェーバー氏やオーディオロジー学の世界的な権威であるH.グスタフ・ガス・ミューラー博士などの他、ゲストとしてプロスキーヤーで登山家の三浦雄一郎氏が登場した。

binaxシリーズ「Ace binax」
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シーメンス ヒヤリング インスツルメンツ 代表取締役ベルント・ウェーバー氏

 初めに登壇したウェーバー氏は、約1250万台を販売する世界の補聴器市場の現状を冒頭で解説。ゆるやかな成長を続ける世界市場にあって日本市場も4年連続で出荷台数が上昇している点を挙げつつ、両耳装用モデルの利用率が40%にも満たない点を指摘した。これを踏まえた上で「大きなポテンシャルとチャンスがある」と日本市場の重要性を強調。binaxシリーズの発売が米国とドイツに次ぐ3番目の国であることを語った。

 今回発売されたbinaxシリーズは、「音質が不自然」「聞こえづらい」などの不満を解消すべく誕生した製品。同社の「binaxプラットフォーム」技術の採用により、両耳の補聴器間における音声信号の通信に対応。左右に2つずつ合計4つのマイクを内蔵し、1秒間に3億回の演算が可能なICチップの情報処理により8つのマイクと同じ音響効果が得られるとしている。

 また、正面の話し相手の会話を拾って他の音を自動的に抑制する「ビーム指向性」、声が来る方向へ自動的にフォーカスする「スピーチフォーカス360°」、屋外での風のノイズを効果的に抑える「両耳eウィンドスクリーン」、状況に応じて適切な音声処理を行なう「binaxフィット」という4つの特長を持つ。