中国の調査会社であるChina Market Research Reports社は11月8日、中国における電力系統向けのエネルギー貯蔵関連市場の展望を発表した。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電所などの設置容量の拡大に伴って、出力変動や電圧の上昇、周波数の変動といった電力系統への影響を抑制するために、中国でもエネルギー貯蔵への需要が高まっているという。

 電力系統向けのエネルギー貯蔵市場は、発電事業者、送電事業者、配電事業者、最終需要家まで幅広い。対象となる技術も、揚水発電から圧縮空気、フライホイール式の回生エネルギー・システム、化学反応を応用した畜電池、スーパーキャパシタなど、さまざまとなっている。

 2013年の中国の全電源の設備容量は1250GWとなった。このうち、太陽光発電は同18.1GWで、全電源に占める比率は1.5%、風力発電は同91.4GWで、全電源に占める比率は7.3%となっている。

 中国の電力網において、再生可能エネルギー発電所の出力と需要の最大時の差は、2013年で95GWだった。この数値が、中国の電力系統全体でのエネルギー貯蔵への潜在需要としている。

 2014年には、同110GWに拡大する。2014年は、太陽光発電が合計出力3.8GW、風力発電が同5.6GW、新たに電力系統と連系する予定。

 これに対して、2013年の中国におけるエネルギー貯蔵システムの合計容量は65MWに留まっている。その内訳は、主に揚水発電やLiイオン蓄電池、鉛蓄電池となっている。