米国で出荷台数シェア第2位の液晶テレビブランド会社「Vizio」から、同社初の4K液晶テレビとなる「Pシリーズ」が2014年9月末、米国の主要小売店で発売された。2014年1月開催の「International CES」で発表した製品である。韓国Samsung Electronics社やその他の大手ブランド会社は2014年第2四半期から世界中で4K液晶テレビを販売しており、市場には以前より手ごろな価格の新製品も投入されている。

 われわれが2014年第3四半期に発行した「季刊 世界TV出荷調査レポート」によると、2014年第2四半期の北米市場におけるSamsung社の4K液晶テレビ出荷台数シェアは49%に急上昇した。一方、北米での液晶テレビ出荷台数全体に占める4K製品の比率はわずか2%にとどまっている。4K比率がこれほど低い要因として、今年に入って大型サイズのフルHD製品のプロモーションが頻繁に行われ、価格が下落していることが挙げられる。

 一方、消費者だけでなくVizio社の競合他社でさえ、Vizio社の新製品が市場に出回るのを待っていた感がある。同社が積極的な価格設定によって韓国や日本のブランド会社に競争圧力を掛けることで、広く全ブランドの4K製品の価格が下がり、数量が拡大することを少なからず期待していたからである。Vizio社の4K液晶テレビは、スマートテレビの標準機能である「Netflix」や「YouTube」などのサポートに加え、HDMI 1.4、次世代動画圧縮技術規格のHEVC、著作権保護技術のHDCP 2.2、アップスケーリングといった最低限の最新仕様を備えている。

 販売価格は下記の通り。仕様・画質は異なるが、日本市場の4K製品の価格の半分もしくは半分以下になっている。

・Vizio 50型 4K: 998米ドル
・Vizio 55型 4K: 1399米ドル
・Vizio 60型 4K: 1699米ドル
・Vizio 65型 4K: 2199米ドル
・Vizio 70型 4K: 2499米ドル

 ここ1~2年、4K液晶テレビの価格競争の大半は中国で起こっており、それが中国市場での4K液晶テレビ需要を急激に押し上げてきた。2014年第2四半期には中国での液晶テレビ出荷台数全体に占める4K製品の比率が11%に上昇、50型以上の大型液晶テレビに限ればその比率は30%にも拡大している。