中国電力管内の再エネ設備量と軽負荷期の昼間電力需要(出所:中国電力)
中国電力管内の再エネ設備量と軽負荷期の昼間電力需要(出所:中国電力)
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北陸電力管内の再エネ設備量と軽負荷期の昼間電力需要(出所:北陸電力)
北陸電力管内の再エネ設備量と軽負荷期の昼間電力需要(出所:北陸電力)
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 中国電力と北陸電力は10月22日、九州電力などが再生可能エネルギーの接続申し込みの回答を保留したことを受け、太陽光発電を中心に再エネの導入状況を公表した。中国電力は、「現状では回答を保留する状況にないが,太陽光の急増という基本的な構図は同じであり,注意を要する」。北陸電力は、回答の保留には言及しなかったものの、「太陽光と風力、自流式水力の設備量の合計は、将来的に軽負荷期の昼間需要を上回ることが予想される」と発表した。

 中国電力は、今年9月末時点における全ての再エネの接続済みと接続申し込み済みの合計(約433万kW)、及び設備認定量(約526万kW)は、年間の最少昼間需要(約540万kW)を下回っており、「現状では回答を保留する状況にない」とする。ただ、「他の電力5社の回答保留によって,同社区域への申込みが急増することが想定され,動向を注視しつつ検討を継続していく必要がある」とした。

 中国電力は、今回の発表で、出力抑制に関する「30日ルール」について、電力会社として初めて、試算値を公表した。「30日ルール」とは、「電気の供給量が需要量を上回る場合、決められた回避措置を実施した上で、500kW以上の太陽光、風力発電設備については30日を上限に無償で出力を抑制できる」というルールだ。中国電力はこのルールを活用する前提で、1年365日を昼間需要の少ない順に並べ、31日目の需要は約630kWになると公表した。最も昼間需要が少ない日に比べると、約100万kW多くなることがわかる。

 また、北陸電力管内では、太陽光の設備認定が7月末時点で約103万kWに達しており、風力の受入量(約15万kW)と自流式水力発電(約130万kW)の9月末時点の設備量も含めると、将来、軽負荷期の昼間需要(約250万kW)を上回る可能性があるとしている。北陸電力も、「他の電力会社の回答保留によって、北陸エリアへの申込みが急増することも考えられ、余裕があるとはいえない」としている。

 北陸電力は、経産省が設置した「系統ワーキンググループ(WG)」に参加し、同社の接続可能量の検証や接続可能量の拡大方策などの審議を申し入れる予定。12月中旬とみられる系統WGの取りまとめの後、同社管内における太陽光の接続可能量を公表するという。

■変更履歴
記事公開当初、本文中と見出しで「四国電力」していましたが,「中国電力」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/10/27]