2050年までに、世界の全電源のうち太陽光発電が16%、太陽熱発電が11%を占めるようになる(出所:国際エネルギー機関)
2050年までに、世界の全電源のうち太陽光発電が16%、太陽熱発電が11%を占めるようになる(出所:国際エネルギー機関)
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太陽光発電の出力が下がる午後や夕方以降の需要を、CSPシステム内の蓄熱機能を生かして賄うことで安定的な電力にできる(出所:国際エネルギー機関)
太陽光発電の出力が下がる午後や夕方以降の需要を、CSPシステム内の蓄熱機能を生かして賄うことで安定的な電力にできる(出所:国際エネルギー機関)
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全世界に導入が広がる(出所:国際エネルギー機関)
全世界に導入が広がる(出所:国際エネルギー機関)
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太陽光発電と太陽熱発電の2050年までのLCOE(均等化発電原価)の展望(出所:国際エネルギー機関)
太陽光発電と太陽熱発電の2050年までのLCOE(均等化発電原価)の展望(出所:国際エネルギー機関)
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 国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までのエネルギー関連の展望として、太陽光に由来する発電が世界最大の電力源になる可能性があると発表した。

 IEAがまとめた技術ロードマップによると、2050年までに、世界の全電源のうち太陽光発電が16%、集光型太陽熱発電(CSP)が11%を占めるようになり、合計で他の電力源を上回る。

 太陽光発電については、最近数年間における太陽光パネルや関連システムのコストが急激に下がったことで導入が進みやすくなり、今後、数十年間の主要な電力源となる可能性を切り開いたとする。

 ただし、太陽光発電の急速な導入は、資本を集中的に投下することで実現され、そのほとんどは、先行投資によって成り立っていると強調している。今後、資本コストをより下げることが最重要の課題になると指摘している。

 太陽光発電とCSPは合計で、2013年末までに合計出力137GWの発電システムが導入されており、1日当たり同100MWのペースで導入が続いている。

 これまではCSPの導入のペースの方が早かったが、今後、2030年までの間の伸びの大部分は、太陽光発電が担うと予想している。

 しかし、世界の全電源の年間発電量に占める、太陽光発電の比率が5~15%に達すると、電力の卸売市場において、太陽光発電の価値が下がるだろうと予想している。そこで重要になるのがCSPとなる。

 大規模なCSPによって、太陽光発電の出力が下がる午後や夕方以降の需要を、CSPシステム内の蓄熱機能を生かして賄うことで、太陽光発電とCSPを合わせて安定的に電力供給できる可能性があるという。

 また、太陽光発電は、中国や米国に続いて、全世界で導入が加速すると分析している。導入される太陽光発電所の合計出力のうち、半分以上が電力の最終消費地に立地していることも特徴となっているとする。