隠岐諸島全体での再エネの配置(出所:中国電力)
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新規に導入する再エネ設置計画(出所:中国電力)
新規に導入する再エネ設置計画(出所:中国電力)
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ハイブリッド蓄電池による再エネの出力調整のイメージ(出所:中国電力)
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 中国電力は10月15日,隠岐諸島で実施する「ハイブリッド蓄電池システムによる技術実証事業」の全体概要を公表した。島内に約8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)と風力発電設備を新規に設置し、NAS(ナトリウム硫黄)電池とLiイオン電池の「ハイブリッド蓄電池システム」(出力6.2MW)を使って、再エネの出力変動を調整する。2015年度~2017年度の3年をかけて実施する。

 太陽光と風力の出力変動は、雲の追加などによる「はやく小さな変動(短周期変動)」と、太陽の位置変化などに伴う「おそく大きな変動(長周期変動・余剰電力)」がある。「ハイブリッド蓄電池システム」の実証事業では、「はやく小さな変動」をLiイオン電池で、「おそく大きな変動」をNAS電池で吸収するよう制御する。特性の違う2種類の蓄電池を協調制御することで、電気の品質(周波数)を一定に維持する。

 新規に導入する太陽光発電は、約1.5MW規模・2サイト、約2MW規模・1サイトのメガソーラーに加えて、約500kW分の住宅用システムの設置を予定する。風力は2MW機を1基設置する。隠岐諸島には既存の再エネ(風力、住宅用太陽光、水力)が約3MW分稼働しているため、島内合計で約11MWの再エネ設備となる。

 「ハイブリッド蓄電池システム」の内訳は、NAS電池4.2MW、Liイオン電池2MWとなる。電力系統制御用のハイブリッド蓄電池システムの活用は、国内初の試みという。同事業は、環境省の補助事業の採択を受けたもの。