小野市中島町前ノ池の水上太陽光発電所
小野市中島町前ノ池の水上太陽光発電所
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仏シエル・テール社製フロート架台。タンク状の浮体を連結して架台を構成する。(1)は太陽光パネルを設置するメインフロートで、(2)はメンテ用歩廊を確保するセカンダリーフロート
仏シエル・テール社製フロート架台。タンク状の浮体を連結して架台を構成する。(1)は太陽光パネルを設置するメインフロートで、(2)はメンテ用歩廊を確保するセカンダリーフロート
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 大阪ガスの100%子会社で再生可能エネルギーを手掛けるエナジーバンクジャパン(EBJ、大阪市)は兵庫県小野市中島町自治会と共同で、中島町内の農業用貯水池「前ノ池」にフロート式水上太陽光発電設備を設置、発電を開始した。

 発電所の出力は850kWで、年間に一般家庭275世帯分の100万kWhの発電を見込む。EBJが中島町から敷地を借り受け、関西電力に売電し、中島町自治会に賃借料などを支払う。
 
 水上太陽光発電システムの設計・作製・組み立ては、JFEスチールの100%子会社で電気設備工事のJFE電制(東京都港区)が請け負った。太陽光パネルを水上に浮かべるフロート架台(浮体)は、フランスに本社を置くシエル・テール社製を採用。同社のフロート架台は高密度ポリエチレン製で、紫外線に対する劣化耐性や耐腐食性に優れる。大型の枕型のタンク形状をした浮体を3640台連結して池に浮かべ、その上に3392枚の太陽光パネルを設置した。太陽光パネルはインリーグリーンエナジー製。資金調達はリースを活用し、初期投資はゼロに抑えた。

 EBJでは今後も資金やノウハウが不足している自治体や地元企業に対して、再生可能エネルギーの発電事業スキームを提供するビジネスを広げていく。