タニタは2014年9月17日、ソフトウエア大手の中国Neusoft社の子会社で、健康管理サービス事業などを手掛ける中国Neusoft Xikang Health Technology社(以下、Xikang)と包括的業務提携を結んだ(pdf形式のリリース)。健康分野の機器やサービスの中国での拡販の他、商品開発や健康管理食事(食堂)事業でも協力する。第1弾として、「タニタ食堂」をモデルにした「煕康百利達食堂」の中国1号店を瀋陽市のNeusoft本社内に出店する。

左からタニタ上海 総経理の松井英明氏、NEUSOFT Japan 代表取締役社長の張秀邦氏、タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏、Neusoft Xikang Health Technology社 CEOの盧朝霞氏、Neusoft Xikang Health Technology社 副総裁の侯寧氏
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 タニタとXikangは9月17日に東京都内で記者会見を開催。登壇したタニタ 代表取締役社長の谷田千里氏は「従来から海外展開を考えてきたが、海外では知名度がなく力不足なため、パートナーを探してきた。中国は身近な市場であることに加え、糖尿病患者などが増加している。今回の協業を通じ、中国の皆さんの健康増進に寄与したい」と提携の狙いを話した。

 タニタは上海の子会社を拠点に中国で健康機器を販売しているが、2013年度の売上高は8億円にとどまる。今後は健康機器を基盤にしたサービス事業を中国で広く展開したい考えだ。そこに向けた健康情報を収集する上で「日本企業では入り込めない部分が中国にはある。今回の提携をその取っ掛かりにしたい」(谷田氏)。

 Xikangは医療・ヘルスケア分野のハードやソフト、サービス事業を手掛けている。中国では目下、「糖尿病など慢性疾患の患者が3億人に達しており、健康を脅かすリスクが生活習慣にあると認識されるようになってきた。国民の多くが予防医療に関心を寄せている」(Xikang 副総裁の侯寧氏)。同社は今後、予防医療分野に注力する考えで、同分野に強みを持つタニタとの提携を決めた。両社は約2年前から協業関係にあり、1年前からはその内容を拡大するための協議を重ねてきた。

中国でも生活習慣病が急増中
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Xikangはヘルスケア分野の端末・サービス事業などを手掛ける
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