中国系の大手太陽光パネルメーカーの仕向地別の出荷量の比率(出所:NPD Solarbuzz)
中国系の大手太陽光パネルメーカーの仕向地別の出荷量の比率(出所:NPD Solarbuzz)
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 米NPD Group社の太陽電池部門であるSolarbuzzは8月、2014年第2四半期の中国系の大手太陽光パネルメーカーによる太陽光パネルの出荷量が、前期(2014年第1四半期)の5.2GWから26%増(約6.6GW)になったと発表した。

 中国系の大手パネルメーカーのうち、トリナ・ソーラー、カナディアン・ソーラー、ジンコソーラーホールディング、JAソーラーが、それぞれ各社の過去最高の出荷量を更新した。

 この4社に、インリー・グリーンエナジー、レネソーラの2社を加えた6社が、世界のパネル出荷量の上位6位を占めた。

 2014年第2四半期の全世界の出荷量のうち71%が、上位20社による出荷が占め、さらに、この上位20社を中国系企業が独占する勢いだという。

 これに対して、日本の大手太陽光パネルメーカーの出荷量は、2014年第2四半期は前期に比べて減少したという。中でも、前期は730MW以上を出荷し、世界のトップに立ったシャープが、前期比50%減と、大きく減少した。

 中国産の太陽光パネルは、米国などとの貿易摩擦の最中にある。その影響が懸念される中で、中国系のパネルメーカーが大幅に出荷量を増していることに対して、同社では、世界各地で地域ごとの需要にあった戦略が奏功したためとしている。

 中国産パネルに対して、貿易上の是正措置を適用している国への対応として、中国の大手太陽光パネルメーカーの中には、中国以外の国から出荷する動きが出てきたという。

 最も活発なのはレネソーラで、同社が出荷しているパネルの約半数は、中国以外の企業からOEM(相手先ブランドによる生産)調達したものになっている。

 中国系メーカーであるカナディアン・ソーラーは、カナダの生産拠点を増強した上、自社の発電事業や日本向けの出荷を増やしている。

 中国産パネルに対して、貿易是正措置の仮決定の発表を控える米国向けでは、2014年第2四半期の出荷量が増加し、1GW以上に達した。中でも、トリナ・ソーラーの米国向けの2014年第2四半期までの1年間の出荷量は、米サンパワーを上回り、米ファーストソーラーに匹敵する量になったという。