太陽光発電システムの国内市場と雇用創出効果(出所:太陽光発電協会)
太陽光発電システムの国内市場と雇用創出効果(出所:太陽光発電協会)
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 「太陽光発電システムの国内市場は2013年度に約2兆5000億円に拡大し、白物家電市場と同等の規模になった」――。経済産業省が8月8日に開催した新エネルギー小委員会で、太陽光発電協会(JPEA)がこうした集計結果を公表した。

 同協会によると固定価格買取制度(FIT)開始によって太陽光発電システムの国内市場は急成長を遂げ、2011年度の約6700億円から2013年度には約2兆5000億円に達した。この場合の太陽光発電システム市場とは、太陽光パネル、パワーコンディショナー(PCS)、受変電設備、架台、接続箱などの設備に加え、土地造成、基礎工事、据え付け・配線などの工事、設計・管理などを含めたシステムの設置に関わる事業が対象になる。

 2兆5000億円の市場規模は、国内の白物家電市場に匹敵する。国内市場のうち、海外に売上額が流出しているものは主に太陽光パネルで、販売出荷(流通粗利)額での海外流出率は9.3%だった。つまり約2兆5000億円の9割以上が国内に還流したことになる。また、市場規模の拡大に伴い雇用も増加し、太陽光発電システムの生産、販売、施工に従事した「直接雇用人員」は約9万人、直接雇用に周辺産業従業員を加えた「総雇用人員」は約21万人となったという。

 8月8日に開催した新エネルギー小委員会では、このほか、欧州調査の結果が報告された。同調査は、委員が参加し、7月20日~27日にデンマーク、スペイン、ドイツを訪問して再生可能エネルギー導入の最新状況を調査したもの。FITなど、今後の国内再生可能エネルギー推進策の議論に生かすのが目的。