直流給電システムの仕組み(出所:戸田建設)
直流給電システムの仕組み(出所:戸田建設)
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 戸田建設は8月21日、同社の筑波技術研究所内に「直流給電システム」を導入したと発表した。太陽光パネルで発電した直流電流をいったん蓄電池に貯め、交流に変換せずに直流のままLED照明や携帯電話の充電装置に供給するシステム。

 興和と東京整流器と連携し、ZEB(ゼロエミッションビル)化に向けた技術の一つとして開発した。「直流給電システム」は、交流と直流の変換時のロスがなくなるため、太陽光発電電力の更なる有効利用が可能となり、交流に変換する既存システムと比較して約10%の省エネを実現できるという。従来システムでは、直流と交流の変換が2回繰り返されるため、その都度、電力変換ロスが生じていた。

 また、同システムの導入により、晴天時の就業時間中に太陽光発電の余剰電力を蓄電池に蓄えられる。夜間など太陽光発電システムが発電しない時でも蓄電池から電力を供給し、太陽光発電の電力のみでLED照明などに利用できるという。

 戸田建設はZEB実用化に向け、異業種と連携しながら環境配慮技術の確立を目指している。今後「直流給電システム」がZEB技術として普及し、規格化・標準化されると見ており、事務所ビルや生産施設などへの導入に向けて研究を進めていくという。