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 東芝三菱電機産業システムは、非真空プロセス下で、太陽電池の透明導電膜を成膜できる装置「TMmist」の販売を開始した。設置面積の削減や太陽電池の変換効率向上、製造コスト低減などが可能になるとする。2014年度に約10億円、2015年度に約20億円の受注を見込む。

 TMmistは、ミストCVD 法と呼ぶ手法を用いる。成膜材料の溶液を超音波で霧化した後に、基板上で分解・反応させて薄膜を形成する手法である。スパッタリング装置のような基板へのプラズマダメージがないため、太陽電池の発電効率や品質の向上が期待できる。

 また、成膜速度が速いのも特徴である。酸化亜鉛の透明導電膜を成膜する場合、成膜速度は650nm/分になる。従来の手法では、例えば蒸着法が数nm/分、スパッタリング装置が約200nm/分だった。成膜速度の向上によって、製造装置の設置面積を約30%削減できるとする。

 東芝三菱電機産業システムでは、太陽電池の他に、有機ELや高機能フィルム、ナノテク素材などへも、ミストCVD 法の適用を目指していく。