電子カルテ市場の予測
電子カルテ市場の予測
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PACS市場の予測
PACS市場の予測
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 市場調査会社のシード・プランニングは、電子カルテとPACS(医用画像管理システム)に関する市場予測を発表した。電子カルテ市場は2018年に、2013年比で673億円増の1940億円に達するとみる。病院向けが順調に伸びる見通しという。

 病院向けの電子カルテ市場は、2013年の1037億円から2018年には1606億円に伸びる見込み。導入施設が大規模病院から中小規模病院に移り、置き換え需要の割合が大きくなって平均単価は下がる見込みという。地域医療連携システムへの参加に電子カルテが必須であることや診療報酬のプラス改訂の影響で、納入数は2013年の420件から2018年には2倍近くに伸びると予測している。

 2013年における病院向け電子カルテ普及率は約31.0%。大規模病院(400床以上、821施設)では69.9%と普及率が高いものの、今後納入数の伸びが期待されるのは普及率が34.0%とまだ低い中規模病院(100~399床、4562施設)である。2013年には小規模病院への導入も進んだ。

地域医療連携が後押し

 診療所向けの電子カルテ市場は、2013年の135億円から2018年には238億円に伸び、納入数は2013年時点の4090件から倍増する見通し。置き換え需要の割合が高まるため、平均単価は下がる見込みである。

 診療所向けでは、地域医療連携や地域包括ケア、在宅診療などにおける効率的な診療に向けて、電子カルテ普及が進む見通し。2013年時点での診療所向け電子カルテ普及率は約27.0%。新規開業の約70~80%が電子カルテを導入しており、都市部は100%に近いという。

 歯科診療所向けの電子カルテ市場は、2013年時点で約95億円。普及率は約9割で、6万8474施設のうち6万1000施設に導入されている。新規開設での電子カルテ導入率は30~40%。ただし、新規開設数が少ないため市場規模は横ばいとなる見通しで、2018年の市場規模は96億円と予測する。

 PACS市場は、2013年は前年比6%増の494億円だった。消費増税前の駆け込み導入など、前倒しでの需要が発生した。病院向けPACS市場は2014~2018年において各年の納入数は大きく変わらないが、システム価格が下がっており、出荷金額は徐々に減少する見通し。今後は、地域医療連携の進展に伴って、医療情報や遠隔読影サービスがクラウドで提供され、小規模病院(100床以下)や診療所でのPACS導入が進むと予想されるという。