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13種類のがんや認知症を1回の採血で診断する技術、開発プロジェクトが始動

2014/08/19 19:45
大下 淳一=日経デジタルヘルス
プロジェクトの全体イメージ
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実施体制
実施体制
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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、国立がん研究センターや東レなど9機関と共同で、多種類のがんや認知症を簡便に検査できる診断機器・検査システムの開発に着手する(リリース関連記事)。「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」と名付けたプロジェクトで、実施期間は2014~2018年度。総事業費は約79億円を予定する。

 このプロジェクトで対象とする「マイクロRNA」とは、血液や唾液、尿などの体液に含まれる22塩基程度の小さなRNAのこと。近年の研究で、がんなどの疾患に伴って血液中でその種類や量が変動することが明らかになっている。さらに、こうした血液中のマイクロRNA量は、抗がん剤の感受性の変化や転移、がんの消失などの病態の変化に相関するという。このため、まったく新しい疾患マーカーとして期待されている。

 今回のプロジェクトでは、国立がん研究センターと国立長寿医療研究センターのバイオバンクに保存されている数十万検体の血清から、13種類のがんとアルツハイマー病などの認知症の早期発見マーカーの探索を網羅的に行う。体液中のマイクロRNAの発現状態についてのデータベースを構築し、網羅的に解析する計画だ。東レが開発した高感度DNAチップや、東レと国立がん研究センターが共同開発した、血液中のマイクロRNAバイオマーカーの探索手法を活用する考え。

 対象とするがんは、胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫。今回の取り組みを通じ、これら13種類のがんと認知症について、確度の高い早期発見マーカーを見出し、これらのマーカーを検出するツールを世界に先駆けて実用化することを目指す。

 取り組みの詳細は次の通りである。

(1)患者体液中マイクロRNAの網羅的解析
 国立がん研究センターと国立長寿医療研究センターのバイオバンクに保存されている血清検体から、日本人に多いがん種ごとに5000検体以上、およびアルツハイマー病などの認知症の検体についてマイクロRNA発現プロファイルを取得する。

(2)疾患横断的に解析できるマイクロRNA発現データベースの構築
 マイクロRNAデータと臨床情報を格納し、横断的な解析を可能にするデータベースを構築する。プロジェクトの成果は製薬企業や診断薬メーカー、診断機器メーカーに橋渡しし、実用化を推進するためのユーザーフォーラムを設立する。その上で、ユーザーフォーラム参画企業がこのデータベースにアクセスできる環境を整える。

(3)マイクロRNAの診断マーカーと検査・診断技術の開発
 臨床情報とマイクロRNAデータを解析し、血中マイクロRNA診断マーカーを探索する。複数の疾患の間での特異性を得るために、複数マーカーを組み合わせた診断用アルゴリズムを作成する。診断用マイクロRNAマーカーが疾患や病態と関連するメカニズムも解明する。

(4)臨床現場で使用できる検査システムの開発
 臨床現場において、血清中のマイクロRNAの抽出から検出までを全自動で行える検査システムを開発する。

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