「NI Week2014」2日目の基調講演に登壇した、NI Director of MarketingのIan Fountain氏(右)
「NI Week2014」2日目の基調講演に登壇した、NI Director of MarketingのIan Fountain氏(右)
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Fountain氏
Fountain氏
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 世界の自動車市場が新興国を中心に拡大し、先進国を含めて燃費性能の高い車両の開発に注力している。計測・制御大手の米National Instruments社は自動車事業をどのように攻めていくのか。8月4日にテキサス州オースティンで開幕したNI社のプイライベートショー「NI Week2014」の会場で、同社Director of MarketingのIan Fountain氏に事業戦略を聞いた。

問:自動車事業の取り組み状況は

 米GM社やトヨタ自動車、富士重工業などが、実験・評価の工程で当社のシステムを採用している。先方の都合で公表できない自動車メーカーも含めると、世界の多くの自動車メーカーがユーザー企業だ。

 GM社は燃費の良い次世代エンジンの開発で、当社のシステム(ラピッドプロトタイピング)を使って仮想的なECUを作り、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの試作品を動かして燃費などを評価している。エンジンの開発段階では燃費を高めるためにインジェクターやシリンダーなどの物理的な形状を細かく変えて試作し、そのたびに仮想的なECUを組み合わせて燃焼をシミュレーションすることになる。ラピッドプロトタイピングを使えば、ロジック図を書くだけで、ECUに相当する制御ソフトウエアを簡単に迅速に作成できる。

 トヨタ自動車とも良い関係を築いている。各種実験で収集したデータを一元管理するためのソフトウエアを大規模に供給している。同ソフトは、ドイツDaimler社など欧州の自動車メーカーを中心に採用されている。実験データだけでなく、実験したときのシステム環境、担当者、などを合わせて記述する仕組みになっており、使い勝手が評価されている。日本メーカーの多くはこれまで、実験データの管理ソフトを内製してきたが、今後は当社のソフトへの置き換えが進みそうだ。