Saft社が納入するコンテナ型の蓄電池「Intensium Max」(出所:フランスSaft社)
Saft社が納入するコンテナ型の蓄電池「Intensium Max」(出所:フランスSaft社)
[画像のクリックで拡大表示]

 フランスの蓄電池メーカーのSaft社は7月、米ハワイ諸島のカウアイ島の電力網に、自社のエネルギー貯蔵システムを供給すると発表した。

 カウアイ島内の電力網を安定化させるために、同島のインフラ事業者であるKauai Island Utility Cooperative(KIUC)が、数百万米ドルを投じて導入するLiイオン電池によるエネルギー貯蔵システム向けに供給する。

 Saft社のエネルギー貯蔵システムは、アナホラ(Anahola)に建設中の出力12MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に導入され、太陽光発電で生じがちな出力の断続的な変動を抑えるために使われる。

 Saft社は、出力6MW、4.63MWhの蓄電池、スイスABB製のパワーコンディショナー(PCS)を二つの筐体に収めて設置する。10月に設置工事を開始する。

 カウアイ島は、ハワイ諸島で4番目に大きく、同諸島の最北に位置する。観光と農業を主な産業とし、6万5000世帯が住む。KIUCは、3カ所の主要な発電所、13カ所の変電所、総延長距離約35kmの送電線を通じて、ピーク時で78MWの電力を供給している。

 KIUCは現在、水力発電、太陽光発電、バイオマス発電などを積極的に導入し、エネルギーポートフォリオの多様化を進めている。太陽光発電については、Department of Hawaiian Home LandsやHomestead Community Developmentと共同で、5000万米ドルを投じて発電所を建設している。