ユニットタイプ(出所:オムロン)
ユニットタイプ(出所:オムロン)
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埋込取付タイプ(出所:オムロン)
埋込取付タイプ(出所:オムロン)
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表面取付タイプ(出所:オムロン)
表面取付タイプ(出所:オムロン)
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 オムロンは7月24日、太陽光発電システムの系統保護に特化した「地絡過電圧継電器K2ZC-K2GV-N□C」を、今年10月1日から発売すると発表した。

 同新製品は、業界で初めて自動/手動復帰切替や系統監視機能を搭載したことで、従来の地絡過電圧継電器(OVGR)では難しかった地絡復旧後の再連系の簡易化や、高圧連系型の太陽光発電システムの保安コストを削減できるという。

 現在、太陽光発電システムを連系した電力系統側で地絡事故が発生した場合、OVGRが動作し系統を保護するためにパワーコンディショナー(PCS)の稼働を停止する。地絡復旧後の再連系(再稼働)は電力会社からの許可が必要な場合がある。そのため手動で再連系するシステムが求められるが、従来のOVGRは自動復帰動作のみであるため、自動で再連系しないよう手動復帰回路を個別に設ける必要があった。

 この手動復帰は太陽光発電システムを設置する地域や管轄の電力会社により運用が異なり、設置後の電力会社との協議で決まることもあるため、設置後に再工事をするなどの作業負担が発生するなどの課題があった。

 新製品では、自動復帰動作と手動復帰動作をスイッチ切替で選択できる。個別に手動復帰回路を設ける必要がなくなり、電力会社との協議後でもスイッチを切り替えるだけで手動復帰動作を選択できるため、手動復帰のための部材費や、設備設置後の作業を削減できる。

 また2015年4月に、太陽光発電システムの交流側回路(PCS~遮断器)の保安頻度が変更となり、従来の6カ月に1回の点検頻度から最大で2カ月に1回まで強化される。ただし、随時監視制御または常時遠隔監視制御が可能な場合は、1カ月の延伸が認められる。新製品では系統監視機能で随時監視に必要な要件を満たせるため、延伸の対象となり保安頻度は2カ月に1回から3カ月に1回となる。