ルネサス エレクトロニクスは、産業用Ethernet通信IC事業強化に向けて、同ICを搭載したEtherCAT対応のリモートI/O評価モジュールを開発した。このモジュールは当面の間、無償でレンタルする。

図1●東京(大田区産業プラザ PiO)で開催のブース 赤枠で囲んであるのが今回のモジュール(2個並んでいる)。日経エレクトロニクスが撮影。
図1●東京(大田区産業プラザ PiO)で開催のブース
赤枠で囲んであるのが今回のモジュール(2個並んでいる)。日経エレクトロニクスが撮影。
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図2●R\-INの意味 ルネサスのスライド。
図2●R-INの意味
ルネサスのスライド。
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 同社は、今回の評価モジュールを「産業オープンネット展 2014」(産業オープンネット展準備委員会が2014年7月2日に名古屋、7月4日に東京で主催)に出品した(図1)。同モジュールに搭載されているICは、2013年4月から出荷を始めた産業用Ethernet通信IC「R-IN32M3」シリーズのチップである(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。同社は同シリーズの第1弾製品として、「R-IN32M3-CL」と「R-IN32M3-EC」の2つを用意している。

 シリーズ名の最初についているR-INは(Renesas’s Platform for Industry and Industrial network)の略で、チップだけでなく、関連ソフトウエア、評価ボードなどを含む総合パッケージ(同社は「プラットフォーム」と呼ぶ)の形でも提供できるようにする(図2)。R-INの応用分野は産業全般で、まず工場(すなわち、Factory AutomationやProcess Automation)をターゲットにしている。エネルギーインフラや公共交通機関、監視カメラ、介護ロボットなども狙う。会場で話を聞いた鈴木克信氏(第二ソリューション事業本部 産業第一事業部 プロダクトマネジメント第二部 兼 産業ソリューション部 担当部長)によれば、販売開始以来、約50社弱の国内ユーザー、約10社の海外ユーザーを獲得したという。