売り上げベースで見た太陽光発電市場の市場規模と雇用総数(出所:経済産業省)
売り上げベースで見た太陽光発電市場の市場規模と雇用総数(出所:経済産業省)
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 経済産業省・新エネルギー対策課の村上敬亮課長は6月24日、産業技術総合研究所主催による「太陽光発電研究・成果報告会2014」で講演し、「2013年には、太陽光発電市場が2兆円近くになる」との見方を示した。

 経産省は6月17日に開催した新エネルギー小委員会で、2012年の太陽光発電市場が約1兆円に達し、約6万人の雇用を創出したと公表していた。2012年度の太陽光パネルの出荷量は約4GWだったのに対し、2013年度は約9GWに倍増したことから、市場規模も約2兆円に膨らんだ模様だ。

 同氏によると、「2012年度の太陽光発電市場である約1兆のうち、約4000億円が太陽光パネル、約3000億円が土地造成・工事費、約2000億円がパワーコンディショナー(PCS)や架台、接続箱など設備費、残りがその他になる。パネルのうち約3000億円は国内ブランドになっており、1兆円市場のうち約9000億円は国内で資金が循環している」と、太陽光発電による地域経済や国内産業への波及効果の大きさを強調した。

 2014年3月末の設備認定が68GWを超えたことに関しては、「2月の申請締め切り前に2014年度の買取価格がかなり下がるとの見方が広がり、駆け込み申請が殺到した。予想以上の認定容量になっており、かりにすべてが稼働した場合、電源構成に占める比率は18~19%となり、これだけでエネルギー基本計画に掲げた20%近くに達する」と試算した。「国内で年間に建設できる太陽光発電の容量は7~9GWが限界とされており、当面の間、この水準の導入が続く可能性がある」との見方を示した。