登壇した碓井氏。スマートグラス「MOVERIO BT-200」を掛け、手首にはリストバンド型脈拍計「PULSENSE」。
登壇した碓井氏。スマートグラス「MOVERIO BT-200」を掛け、手首にはリストバンド型脈拍計「PULSENSE」。
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説明会会場での「PULSENSE」(腕時計型)の実演の様子
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健康・医療分野の事業展開
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スポーツ分野の事業展開
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ビジュアルコミュニケーション分野の事業展開
ビジュアルコミュニケーション分野の事業展開
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 セイコーエプソンは2014年6月19日、ウエアラブル端末に関する事業戦略説明会を東京都内で開催、代表取締役社長の碓井稔氏が登壇した。多くの企業がウエアラブル端末に参入し始めた今、同社は「いつかはエプソンのものを身に着けたい、と思われるような製品を世に出す。その用意を着実に進めている」(碓井氏)という。まずはウエアラブル端末への開発投資を回収できる売上高として、今後数年以内に年間100億円に乗せることを目指すとした。

 碓井氏は冒頭、「我々は(時流に乗ろうと)付け焼刃でウエアラブル端末を手掛けているわけではない。そもそもエプソンの起源がウエアラブルにある」と説明。1969年に発売したクオーツ時計に始まり、1985年に市場投入した腕時計型コンピューター端末など、同社が数多くのウエアラブル端末を業界に先駆けて生み出してきたことを強調した。

ハードだけにあらず

 同社が今、ウエアラブル端末に改めて力を入れる理由は二つあるという。第1に、モバイルやクラウド、ビッグデータ活用などのインフラが整ってきたこと。第2に、先進国だけでなく新興国でも健康や医療への関心が高まるなど、人々のライフスタイルが大きく変化していること。

 こうした中、同社はウエアラブル端末で身体や行動に関する情報を取得し、蓄積・分析した上で「価値ある情報」を顧客に提供する事業に力を入れるという。そのためには、ハードウエアとしてのウエアラブル端末に加えて、データの蓄積・分析、アドバイス生成などを担うクラウド、データ出力を担う表示デバイスなどと併せた「プラットフォームの提供が欠かせない」(碓井氏)とした。

 ここに向けたエプソンのコア技術は「省・小・精(省エネルギー・小型化・高精度)」の技術。高精度のセンシング技術やマイクロディスプレー技術、時計製品で培ったデザインや装着性のノウハウなどを挙げた。クラウドについては、2011年にプリンター分野に導入した「Epson Connect」の実績を強調する。