事業スキーム(出所:京セラ)
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宇久島の概要(出所:京セラ)
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 ドイツの太陽光発電プロジェクト開発会社であるフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社、京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行は6月12日、長崎県佐世保市の宇久島において、世界最大となる合計出力430MWの営農型太陽光発電事業の検討を、5社で協力して進めることで基本合意したと発表した。

 営農型太陽光発電事業とは、農地に支柱を立てて、農地の上に隙間を空けながら太陽光パネルを並べ、農作物と太陽光発電で日光を分け合い、農業と太陽光発電を両立する、いわゆるソーラーシェアリングである。

 フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社が計画を進めているプロジェクトで、総投資額は約1500億円を見込んでいる。2015年度(2015年4月~2016年3月)の着工を目指している。

 太陽光発電システムを設置する土地の面積は、合計約630万m2(東京ドーム約134個分)で、宇久島の面積の約4分の1になる。宇久島は、面積が2493万m2、人口が約2000人。太陽光パネルは、京セラ製の多結晶シリコン型を採用し、約172万枚を設置する。

 発電した電力は、宇久島と九州本土の間に約60kmの海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電する計画。稼働開始後の年間発電量は、一般家庭約13万8800世帯分の消費電力量に相当する約50万MWhを見込んでいる。

 発電事業者は、SPC(特定目的会社)の「テラソール合同会社」となる。テラソールには、京セラ、九電工、オリックスが出資する。出資比率は未定だが、京セラが最大株主になる方向で調整中という。

 事業用地の交渉をおこなう宇久島メガソーラーパークサービス(長崎県佐世保市:UMSPS)が、宇久島内の農地や耕作放棄地などを土地の所有者から借り、テラソールに転貸するスキームとなる。

 UMSPSは、テラソールから得る営農支援金をベースに、畜産農家に農作業を委託する。これによって、農業と発電事業の両面で宇久島の地域振興に寄与するという。

 建設や運用は、京セラと九電工が担当する。みずほ銀行は、テラソールへのプロジェクトファイナンスを取りまとめる。