基本協定書(MOU)締結式の様子
基本協定書(MOU)締結式の様子
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 テムザックとNTTドコモは、デンマークのコペンハーゲン市とファーボ・ミッドフュン市において、介護・医療の現場でロボットを幅広く活用するための実証試験を開始する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして実施するものである。実証試験の開始に先立ち、2014年6月10日にコペンハーゲン市で事業開始に関する基本協定書(MOU)が締結された。

 テムザックとNTTドコモは、通信機能を搭載した電動車いす「NRR」(New Robot Rodem)を開発。デンマークの介護・福祉施設や高齢者住宅に導入して実証試験を実施することで、現地ニーズに対応するための研究開発と実証を行う。現地の介護・福祉施設において、実際の被介護者を対象に、介護者のサポートを得ながら、実証のプロトコル作成、データ収集・分析を行う。

 デンマークでは、少子高齢化が進み、医療や介護などに掛かる費用が国家財政の多くを占めており、年々増加傾向にある。こうした背景のもと、今回の事業は、NEDOが2012年に実施したデンマークにおける各種調査に加え、2014年3月の日本・デンマーク首脳会談における共同声明の「ウェルフェアテクノロジー(ロボットのような支援器具及び技術)における具体的な協力」により、両国の協力関係のもとで実施される。

 今後はこのプロジェクト期間中に、EU域内の福祉機器輸出に必要な欧州医療機器指令に適合していることを証明する「CEマーキング」を取得し、実際に現地の施設にて車いすを導入、実証データを取得する。2015年度の実用化に向けた開発を進め、NRRの将来的な普及拡大を目指す。