西仙台変電所蓄電池システムの設置イメージ(出所:東北電力)
西仙台変電所蓄電池システムの設置イメージ(出所:東北電力)
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南早来変電所蓄電システムの設置イメージ(出所:北海道電力、住友電気工業)
南早来変電所蓄電システムの設置イメージ(出所:北海道電力、住友電気工業)
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 新エネルギー導入促進協議会は、「2012年度大型蓄電システム緊急実証事業」の2013年度の成果概要を公表した。同事業は、風力と太陽光発電設備の拡大に対応し、蓄電池による系統安定化のための制御技術を検証するもの。補助対象となった事業は、東北電力が実施する「西仙台変電所 周波数変動対策蓄電池システム実証事業」と、北海道電力と住友電気工業の実施する「南早来変電所 大型蓄電システム実証事業」の2件。

 「西仙台変電所 周波数変動対策蓄電池システム実証事業」は、仙台市にある西仙台変電所に出力20MW、容量20MWhのLiイオン蓄電池システムを設置する。東北電力の中央給電指令所から、同蓄電システムの充放電制御することで周波数変動を調整する。東北電力では周波数変動を主に火力発電により調整しているが、火力発電により確保できる周波数調整力には限界がある。一方、風力と太陽光発電の出力変動は、連系量の拡大につれ増加するため、さらに導入を増やすには、周波数調整力を拡大する施策が必要となる。そこで、蓄電池制御による周波数調整力の拡大効果を実証する。2013年度までに設計と機器製作を終え、2014年度から本格的な現地工事に入る。

 「南早来変電所 大型蓄電システム実証事業」は、北海道勇払郡安平町にある北海道電力・南早来変電所に出力15MW、容量6MWhのレドックスフロー電池を設置し、風力と太陽光発電の出力変動によって電力系統に生じる影響を緩和する効果を検証する。同時に効率・寿命を最大化する系統用蓄電池の最適な制御・運転技術を開発・実証する。また、気象予測などに基づき、風力と太陽光発電の出力を予測するシステムを検討する。2013年度までに各種設備などの設計を終え、2014年度から建設に取り掛かる。