提供するサービスの内容
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 日立システムズは、製薬業界向けにクラウドサービスを本格的に展開する(リリース)。第一弾として、薬事法が求めるCSV(computerized system validation)に製薬会社が対応しやすくするクラウドサービス「バリデーティッド・リソースオンデマンドサービス」を提供する。

 医薬品の開発や製造に使われるITシステムは、人の生命や健康にかかわる。そのため、その開発から運用、廃棄までのすべてのプロセスで正しく開発され、意図通りに動作し、その状態が維持されていることを保証する取り組み(CSV)が求められる。CSVは日本では薬事法に基づく査察対象となっており、海外でも同様の法規制が整備されている。

 ところが製薬会社では一般に、CSV対応に欠かせない品質保証やITシステムの運用管理を行う人材が不足気味だ。さらに今後は、海外市場への進出に伴い、国際基準への対応や各国に独自の規制への対応が課題になる。

 日立システムズはこうした課題の克服に向けて、クラウドサービスの運用ノウハウと、日立グループが持つ製薬業界向けの業務ノウハウを融合したクラウドソリューションを展開する考え。その第一弾となるバリデーティッド・リソースオンデマンドサービスでは、CSV導入支援サービスやITリソース、CSV対応の運用・監査サービスなどを提供する。顧客側でCSV対応が必要になるのは、主に業務アプリケーションの開発部分となるため、ITシステムの導入コストや運用コストを削減できるという。

 今後、日立グループでは製薬会社向けソリューションのCSV対応を進め、業務アプリケーションを含めたCSV対応のクラウドソリューションを拡充していく。日立システムズは、主力事業として強化中のクラウドサービスの一つとして、日立グループ各社と連携して今回のサービスを拡販する。2015年度末までに累計6億円の販売を目指す。