モニターへの協力依頼の内容(出典:公式ページ)
モニターへの協力依頼の内容(出典:公式ページ)
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 ヤフーは2014年6月5日、遺伝子情報の解析に基づく生活改善助言サービスなどを行うプロジェクト「HealthData Lab」のモニター募集を開始した(リリース、関連記事:遺伝子解析に参入するヤフー、その狙いはどこにあるのか)。2014年秋を予定する同プロジェクトの本格始動に先立ち、先行モニター5000人の募集を同日から公式サイトで開始した。募集期間は6月25日まで。

 HealthData Labは病気や薬、健康に関する情報を提供する「Yahoo!ヘルスケア」の一環で取り組む新プロジェクト。遺伝子解析には、東京大学発のベンチャー企業であるジーンクエストが協力する(関連記事:東大在籍中の「研究者の卵」が遺伝子解析ベンチャー立ち上げに託す思い)。先行モニターは遺伝子解析サービスを無料で利用できる他、ヤフーが今後、継続的に行うアンケート調査などに協力し、病気予防の研究に参加する。

 HealthData Labでは、まずは遺伝子解析サービスやアンケート調査を通してユーザーから情報を取得し、個々人の体質に関する情報を提供したり、生活習慣を可視化したりする。次の段階では、取得する情報の範囲を広げ、産官学の専門家とも連携して、多くの人のデータを研究に活用していくという。これを通じ、個々人の体質に合った効果的な予防法のアドバイスや、体質に合った医薬品の開発に応用していく考え。プロジェクトを通して、ユーザーの健康維持を促進し、結果として医療費抑制につなげることを目指すという。

 ヤフーが今回募集するモニターに依頼する内容は二つある。(1)遺伝子解析サービスの利用と(2)調査・研究への協力である。

 (1)では、必要なキット料金や解析費用、送料などをすべてヤフーが負担する。応募者の中から選定したモニター候補者に対し、ヤフーが唾液採取キットを送る。唾液を返送した人をモニターとして認定し、解析を行う。解析の結果はYahoo!ヘルスケアのマイページで閲覧でき、病気のリスクや体質などが分かる。解析結果に基づいた病気予防のアドバイスも提供するという。該当のデータが研究に使われた場合は、マイページで知らせるとしている。

 (2)では、ヤフーがサービスとして提供する情報の精度を高めたり、病気発症の追跡調査をしたりすることを目的に、モニターから取得する情報を研究に活用する。また、継続的に行うアンケートなどの健康調査に最低2年間協力することを求めるという。

 ヤフーはHealthData Labの取り組みについて、「医療ビッグデータ・サミット 2014」(2014年7月7日、主催:日経デジタルヘルス)で講演する予定である。