植物工場内部
植物工場内部
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10段の栽培ベッドを設置している植物工場内部。これから栽培するエリア。
10段の栽培ベッドを設置している植物工場内部。これから栽培するエリア。
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生産した製品
生産した製品
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パッケージング工程も備える
パッケージング工程も備える
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記者発表会の様子。千葉大学名誉教授の古在豊樹氏もかけつけた。
記者発表会の様子。千葉大学名誉教授の古在豊樹氏もかけつけた。
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 植物工場システムの開発を手掛ける「みらい」と三井不動産は、2014年6月2日、1日当たり1万株の野菜を生産・出荷できる植物工場を稼働させた。6月5日、報道関係者に内部を公開した(関連記事)。

 植物成長に最適化したLED照明と蛍光灯を組み合わせた人工照明や、閉鎖式の培養液循環システムを使う。天候にかかわらず安定した収穫を期待でき、みらいは補助金などに頼らず事業として成り立たせることができるとする。

 三井不動産が所有する建物(千葉県柏市、敷地面積2986m2、延べ床面積1260m2)をみらいが賃借し、同社の植物工場システムを設置した。工場内でパッキングも手掛け、ここは両社などが共同出資する「みらいトレーディング」が担う。

 みらいは、レタスなどの葉物野菜を10数種類育成しており、現在の生産量は1日当たり5000株程度である。2014年8月までに日産1万株を目指し、この時の年間売上高は約3億円となる見込みだ。小売価格が200円程度になる1株をパッケージング化して、小売店には100円未満で卸すとみられる。三井不動産は、三井ホームが建築した木造建物と土地に約6億円を投資した。

 建物には、柱のない約150坪の空間を持つ栽培室を2つ備え、栽培室の天井高は6m。10段の栽培ベッドを配置している。面積当たりの生産性は、露地栽培に対して100倍以上という。高い断熱性と気密性を確保することで空調の制御性を高めるとともにランニングコストを抑えている。