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 富士電機は、SiC MOSFETの実用化に乗り出す。最初の適用先は、同社が2014年8月に量産する、入力電圧DC1000V、出力1000kWのメガソーラー向けパワーコンディショナー(パワコン)である(発表資料)。同社は既にSiCダイオードを製品化しており、同ダイオードと同社のSiC MOSFETを搭載したパワーモジュールをパワコンの昇圧回路に適用した。これにより、従来機種に比べて変換効率の向上と小型化を実現した。変換効率は98.8%で、「業界最高水準」(富士電機)である。同社従来品の効率は98.5%だった。

 パワコンの大きさは、2980 mm×1900 mm×900 mmで、従来品に比べて20%小さいという。この小型化によって、分割せずに運搬できるようになった。従来は、1000kW級のパワコンが大きくて分割して運ぶのが一般的で、「1000kW級で一体型の屋内型は業界初」(富士電機)だという。

 パワコンに搭載するSiCパワー素子は、富士電機の松本工場で生産する(関連記事)。利用するのは口径150mm(6インチ)のSiC基板である。

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