本庁舎のキャノピーに設置した太陽光パネル(出所:宍粟市)
本庁舎のキャノピーに設置した太陽光パネル(出所:宍粟市)
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北庁舎駐車場に設置した太陽光パネルと、らせん水車による小水力発電設備(出所:宍粟市)
北庁舎駐車場に設置した太陽光パネルと、らせん水車による小水力発電設備(出所:宍粟市)
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周流型水車による小水力発電設備(出所:宍粟市)
周流型水車による小水力発電設備(出所:宍粟市)
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 兵庫県宍粟市は5月19日、再生可能エネルギー由来の電力を市庁舎に供給するシステムを構築したと発表した。太陽光発電設備(出力66kW)とパワーコンディショナー(PCS)、小水力発電設備(出力1kW)とLiイオン蓄電池(出力10kW)を市庁舎などに設置した。発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)を活用して売電せず、すべて市庁舎で自家消費する。

 太陽光発電の発電電力はパワーコンディショナー(PCS)を通じて、市庁舎の配電線に直接、連系する。小水力発電の発電電力は、まず蓄電池に蓄え、市庁舎の電力需要に合わせて、放電制御する。最大出力時でも、電力会社の電力系統に逆潮しない仕組み。

 太陽光パネルは、本庁舎の屋上やキャノピー(ひさし)、駐車場の屋根に設置した。小水力発電設備は、市庁舎の脇を流れる水路にらせん水車と周流型水車を取り付けた。太陽光パネルとPCSはパナソニック製、小水力発電システムは岡山電設(京都府)が設置した。事業費は、調査設計業務と設置工事を合わせ約9142万円。

 太陽光と小水力発電を合わせた年間発電量は7万4635kWhを見込んでおり、市庁舎の年間消費電力の約9%を賄えると試算する。また、災害などの非常時には、電力系統が停電しても自立稼働でき、非常用電源の1つとして、市庁舎に電力を供給できるという。

 宍粟市では、2010年度に「宍粟市環境計画」及び「エコしそうアクションプラン」を策定し、2030年のエネルギー自給率70%(産業・運輸部門を除く)に向け、取り組んでいる。