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 パナソニックは、太陽電池モジュールとパワーコンディショナーの新製品を発表した。2014年6月23日に受注を開始する。いずれも変換効率の高さとともに、年間発電量の多さをアピールした。

 このうち太陽電池モジュール「HIT 244α」は、モジュール変換効率を同社従来品の18.7%から19%に高めた製品である。最大出力は244W(従来品は240W)になる。入射光の反射を低減する低反射ガラスの改良などにより、高効率化を実現したとする。希望小売価格は13万5000円(税別)。

 この他に、受注生産用の太陽電池モジュール「HIT 250α」を用意した。同社の既存の受注生産品に比べて、モジュール変換効率を19.1%から19.5%に高めている。最大出力は250W(従来品は245W)。HIT 244αで実施した改良に加えて、抵抗損失の削減に効果がある技術を追加して変換効率を高めたとする。希望小売価格は16万3000円(税別)。

 パナソニックのHIT太陽電池は、既存の結晶Si型太陽電池に比べて温度特性に優れており、高温時の出力低下が少ない特徴をもつ。このため最大出力244WのHIT 244αの年間推定発電量は286.9kWhと高い。これを一般的な結晶Si型太陽電池モジュールで実現する場合は、最大出力が262W程度のモジュールが必要になるとする。

 なお年間推定発電量は、太陽光発電協会(JPEA)の「表示に関する業界自主ルール(平成24年度)」に準じてパナソニックが算出したものである。モジュールの設置条件は、大阪市で真南に向けて傾斜角30度、パワーコンディショナーの損失は5%とした。

SiCダイオードを搭載

 パワーコンディショナーの新製品「VBPC246B」は、定格出力が4.6kWの屋外設置型である。4kW程度の他社製品よりも優れている点として、最大電力追従(MPPT)回路を4回路搭載していることを挙げた。他社製品の2~3回路に比べて、モジュールの設置自由度を高めることができるとする。希望小売価格は41万円(税別)

 VBPC246Bの定格時の電力変換効率は96%で、4kW程度の屋外設置型としては、他社の既存品と並んで業界最高値となる。定格時だけでなく出力1kW程度から電力変換効率が96%程度と高いため、曇りや雨などの低日射時でも高い効率で変換でき、年間発電量を増やすのに効果があるとした。

 なお、2013年10月に発売した最大出力5.9kWの屋外用パワーコンディショナーに引き続き、ダイオードにはSiCを使っている。