バイテックグローバルソーラーの太陽光パネル工場の外観(出所:日経BP)
バイテックグローバルソーラーの太陽光パネル工場の外観(出所:日経BP)
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スーパーマーケットの跡地ならではの看板もそのまま活用(出所:日経BP)
スーパーマーケットの跡地ならではの看板もそのまま活用(出所:日経BP)
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竣工式には約100名が参加(出所:日経BP)
竣工式には約100名が参加(出所:日経BP)
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竣工式後のテープカット。左から3人目が、バイテックの今野 邦廣会長兼社長、4人目がバイテックグローバルソーラーの原田 宣社長、5人目が中国レネソーラ社の李 仙寿社長兼CEO(出所:日経BP)
竣工式後のテープカット。左から3人目が、バイテックの今野 邦廣会長兼社長、4人目がバイテックグローバルソーラーの原田 宣社長、5人目が中国レネソーラ社の李 仙寿社長兼CEO(出所:日経BP)
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EVAフィルムで封止するラミネート装置(出所:バイテック)
EVAフィルムで封止するラミネート装置(出所:バイテック)
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 半導体商社のバイテックと、中国の太陽光パネルメーカーのレネソーラ社などの合弁企業である、バイテックグローバルソーラー(栃木県大田原市)は5月7日、栃木県大田原市に整備していた太陽光パネルの生産工場の竣工式を開催した。

 大田原市の工場で生産する太陽光パネルは、すべてレネソーラ社が買い取り、レネソーラ社製の日本製パネルとして販売される。在庫の保管やアフターサービスまで、レネソーラ社と共同で取り組むことから、日本で製造し、日本で技術的な対応ができる太陽光パネルとして、国内産の太陽光発電システムの採用を条件に掲げるメガソーラー(大規模太陽光発電所)へも販路が広がる可能性がある。

 レネソーラ社は8カ国に生産拠点を持つなど、太陽光パネルを“地産地消”する経営戦略を掲げている。一方、バイテックは、かつて自社のメガソーラーに韓国サムスングループの太陽光パネルを採用してきたが、2013年にサムスングループが太陽光パネル事業から撤退したことで、新たに導入する太陽光パネルメーカーを探していた。

 バイテックでは、品質や価格など太陽光パネルの技術、製品面の要求を満たすことのほか、新たな製品の開発や市場の開拓など、共同で新たな事業を展開できることなども条件に、太陽光パネルメーカーを探した結果、レネソーラ社と連携することを決め、共同事業の一環として国内に工場を建設したとしている。

 大田原市の工場は、元々、スーパーマーケットだった建物を活用した。2014年の生産数量は、出力ベースで80MWを計画している。当初の産業向けに加えて、将来的には家庭用も生産する計画である。

 工場には、レネソーラ社の生産プロセスを採用した。レネソーラ社製の太陽電池を入荷し、配線工程を経て、割れ(クラック)を見つけるEL検査・外観検査で太陽電池の異常を検査した後、EVAフィルム(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)で封止する。他のレネソーラ社の製造拠点との違いは、この封止装置などの生産設備に、日清紡の装置を導入していることだという。

 その後、再度、EL検査・外観検査をおこない、異常の有無を検査した後、余ったEVAの除去、ジャンクションボックスの取り付け、アルミ製フレームへの装着、シリコン樹脂での封止などの後、微弱な光を当てて発電性能を検査する。

 バイテックグローバルソーラーには、バイテックとレネソーラ社のほか、サンエス(広島県福山市)が出資し、サンエスの持つ生産面での知見を生かしているという。