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常識を覆す、台風生まれの腕時計用太陽電池

カシオ計算機が“針の影”に挑む

根津 禎=日経エレクトロニクス
2014/05/12 17:07
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 腕時計を駆動する上で重要な存在になった太陽電池。腕時計用太陽電池の配置に次々と新しい工夫を施すことで発電量を向上させることに、カシオ計算機が成功し、業界で注目を集めている。

図1 OCW-S3000
図1 OCW-S3000

 その発端になったのは、同社が2013年秋に発売した「電波ソーラー腕時計」の高級機「OCEANUS Manta(オシアナスマンタ)」の新製品「OCW-S3000/S3001」である。このモデルに、従来とは異なる形状の太陽電池セルを配置して発電量を約5%高めた(図1)。“5%”という数字は、一見すると大きな値ではない。ところが、腕時計にとってデザイン面で大きな意味がある。この発電量の増加によって、外観デザインの自由度が大幅に増えるからだ。オシアナスマンタの新製品の希望小売価格は、16万~18万円(税抜)。こうした高級機にとって、外観デザインは売れ行きを左右する重要な要素である。

図2 腕時計の構造
図2 腕時計の構造
(図:カシオ計算機)

 腕時計の太陽電池は、文字盤の下に配置されている(図2)。文字盤上の装飾や針の存在で光が遮られると、その分発電量が減ってしまう。そのため、所望する発電量を得るために、加飾面積を抑えたり、針を細くしたりと、デザイン上の制約が生じる。特に問題になるのが、針の影である。

図3 一般的な腕時計向け太陽電池セルの形状
図3 一般的な腕時計向け太陽電池セルの形状
(図:カシオ計算機)

 腕時計用太陽電池は、複数のセルで構成される。一般的なのが、扇形の太陽電池セルをピザのように円形に配置する方法である。太陽電池セルの形状が単純で設計や製作が容易になる利点があるものの、針の影による発電量の損失が大きくなる。針によって、アンバランスな受光になりやすいからだ(図3)。

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