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富士フイルム、早期大腸がんの低侵襲手術などに使う高画質の処置用内視鏡を発売

2014/05/02 08:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス
先端部
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全体
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 富士フイルムは2014年5月1日、下部消化管向け処置用内視鏡の新製品を発売した(リリース)。同社従来機種に比べて挿入性と処置性能を高めるとともに、独自のCCDを搭載して高画質を実現した。同日から子会社の富士フイルムメディカルを通じて販売する。標準価格は税別で340万円。富士フイルムは今回の新製品を「第87回 日本消化器内視鏡学会総会」(2014年5月15~17日、福岡国際会議場)に出展する。

 近年、早期がんの治療として、内視鏡と処置具で粘膜下層を剥離する「内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)」が注目を集めている。従来の手術に比べて患者の負担が小さいことから、症例数は年々増えている。富士フイルムはこの分野で、ディスポーザブル高周波ナイフなどのESD処置具を販売してきた実績を持つ。

挿入性や処置性能も向上

 今回発売した下部消化管向け処置用内視鏡「EC-580RD/M」は、従来機種に比べて挿入性や処置性能、画質を高めた。

 挿入性については、従来機種では12.8mmだった軟性部外径を10.5mmに細径化した。大腸をはじめとする下部消化管に挿入する内視鏡には、患者の苦痛を抑えるために、細さと軟らかさが求められる。一方、医師による操作の微妙な力加減を伝えるためには、ある程度の硬さが必要だ。今回は、手元から先端に向かって連続的に軟らかさを変化させることで、手元側の力を先端部に伝わりやすくし、挿入性を向上させた。

 下部消化管の処置では、処置部位を明瞭にするためにウォータージェットノズルから出した水や消化管内の粘液などの吸引作業や、処置具の出し入れを鉗子口から何度も繰り返す。今回の製品では、処置性能を高めるために、細径化しながらも3.2mmの鉗子口径を確保し、処置具の出し入れを容易にするとともに、吸引性能を高めた。また、ウォータージェットノズルと鉗子口の配置を工夫しており、目的部位への送水と処置具での処置を必要最小限の動作で切り替えられる。

 加えて、内視鏡先端部の湾曲角として210度を実現した。小回り・旋廻性能に優れるため、大腸内にある輪状ひだの裏側など、観察しにくい部位を観察しやすくなる。これにより、内視鏡下手術の検査時間を短縮し、医師や患者の負担を軽減できるとする。

 画質の向上に寄与したのは、独自開発したCCDと、カメラレンズの設計でノウハウを培ったひずみの少ないレンズという。このCCDは、フォトダイオードの配列を従来の正方格子配列から45度回転させ、フォトダイオードの形状を受光面積の大きい八角形にしたもの。解像度と感度、ダイナミックレンジなどの要素をバランス良く向上させ、高画質を実現するという。加えて、ノイズ低減技術を生かして解像度が高くひずみの少ない画像が得られるようにした。

 「FICE(flexible spectral imaging color enhancement」と呼ぶ分光画像処理機能と併用することで、病変部と正常部の境界の視認性も向上するとしている。FICEは、通常画像から分光画像をリアルタイムに生成できる画像処理機能である。波長パターンを自由に選択でき、コントラストの高い画像を得ることができるという。

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